MaleCNS v1.0
HHMI Janelia FlyEM / University of Cambridge / MRC LMB / Google Research
オスのショウジョウバエ成虫の中枢神経系(脳・視葉・腹側神経索)をひとつの体積として再構成した初の全配線図。16 万以上のニューロンを含み、CC-BY で公開されている。2026 年 9 月のハエ脳デモの波はこのデータから始まった。
確認した出典
上の情報は掲載日にこれらのページを読んで確認したものです。
- male-cns.janelia.org https://male-cns.janelia.org/download/
- janelia.org https://www.janelia.org/project-team/flyem/male-cns-connectome
利用: 57 件
NeuroCraft Fly
Evan Sinclair Smith (@evnsnclr), Georgia Institute of Technology
MaleCNS グラフ全体(16万6,700ニューロン・2,558万2,938本の有向結合)でマインクラフト内のハエを動かすプロジェクト。プレイヤーの接近・周囲の mob・ブラッシング・攻撃・食べ物・光という宣言済みの 6 入力をモデルに流し、選んだ読み出しがスクリプト化された身体動作を選択する。リポジトリは現時点で紹介ページとロードマップのみで、録画デモは存在するが Fabric MOD と実装コードは未公開。README は「対応付けを可視化・検証可能にしたもので、ハエの生理を再現したものではない」と明言している。
DesktopFly
DenisSergeevitch
macOS のデスクトップ上を歩き回る 3D ショウジョウバエ(Windows 向け Electron 移植版あり)。FlyWire 由来の 668 ニューロン回路(感覚・逃避・意思決定)と、MaleCNS 由来の 1,045 ニューロン回路(下行ニューロンから 220 個の脚運動ニューロンまで)を 1 kHz の LIF モデルで動かして行動を決める。ウィンドウの縁を地形、ウィンドウ移動を脅威、クリックを振動として知覚し、別ウィンドウで 23,210 ニューロンの発火をリアルタイム表示する。筋肉の力学は生物学的に較正されていないモデルであることを README で明記。コードは MIT、FlyWire データは CC BY-NC 4.0、MaleCNS は CC BY 4.0。
DOOMFLY
nftechie (Alex Wormuth)
MaleCNS v1.0 のスパイキングシミュレーションを Doom のアリーナにつないだ実験。各フレームが視覚入力ニューロンを刺激し、166,700 ニューロンを信号が伝播して、運動出力を移動と射撃に変換する。README は「学習による生存はまだ実証していない」と明記している。
Fly Brain Minecraft
blendi-remade
Minecraft 1.21.1 向けの Fabric MOD。neuPrint の male-cns v1.0 コネクトーム(約17.6万ニューロン、シナプス5個以上の結合629万本)を LIF ニューロンとしてハエ Mob の中で丸ごと動かす(ハエ1匹につき1スレッド)。ゲーム内の視覚・嗅覚・味覚・接触刺激を感覚ニューロンに入力し、復号した運動出力で摂食・グルーミング・逃避ジャンプ・歩行・飛行を制御する。脳活動のライブ表示や発火率 HUD、56 本の JUnit テストを備え、コードは MIT、データは CC BY 4.0。
flybrain (annel0)
annel0
ショウジョウバエ中枢神経系の、コネクトームに束縛されたスパイキングモデルを回す高速な GPU シミュレータ。同時に「確かめられなかったこと」の記録でもある。出発点はバイラルの波が飛ばした問い——みんな脳を読むばかりで、誰も書き換えない。ニューロンを足したらどうなるのか——で、最後にはその問いに今は誠実に答えられない理由が計測に基づいて並ぶ。MaleCNS v1.0 を CSR グラフとして取り込み、他人の公開済み予測を再現するために FlyWire 783 をそのまま読み込んだ結果、13 ニューロンで中央値比 1.01・相関 0.970 の一致を得ている。README は英語とロシア語。
Bad Apple Fly
kevinlinxc
Bad Apple の映像を MaleCNS v1.0 のコネクトームに流し込み、身体モデルがどう反応するかを見せるデモ。片方のペインはニューロンの活動を soma の位置に投影し、もう片方は MuJoCo 上の NeuroMechFly の身体を動かす。README は冒頭で「これは本物の脳シミュレーションではない」と断る。配線は本物だが、ニューロンは計測された生物物理ではなくパラメータを適当に決めた leaky integrate-and-fire にすぎず、映像はハエが見ているものではなく soma 位置への空間的な刺激パターン、感覚フィードバックも飛翔の空力もなく、身体は公開されている雌の標本に雄の神経データを組み合わせている。
C3S Reflex Circuits
BruceLanLan
looming(迫ってくる物体)に対する逃避、それも巨大線維が門番をする反応ひとつだけを取り上げ、MaleCNS v1.0 の配線から、明示した教師モデル、16 ビット入力の全 65,536 行を尽くした決定表、そして NAND 173 個とラッチ 6 個のネットリストへと落としていく。決定表との等価性は網羅的に確かめられている。問いは「配線が形づくる振る舞いを再現する決定論的な機械はどこまで小さくできて、そのうちどこまでを信頼ではなく証明で済ませられるか」。ブラウザ上の実験台では迫る物体をハエに撃ち込み、5ms ごとにネットリストをセル単位で評価し、読み込み時に SHA-256 を照合する。
CyberFly (fly brains on Snap Spectacles)
PtPavloTkachenko
Snap Spectacles(2024)越しに実際の部屋へ置かれるホログラムのハエ。1 匹ごとに MaleCNS v1.0 のコネクトーム(166,700 ニューロン・2,560 万シナプス)を、Shiu ら 2024 の leaky integrate-and-fire モデルとして丸ごと走らせる。脳は Mac の Metal GPU カーネル上で動き、グラス側が部屋を視覚・ワールドメッシュ・手・頭といった感覚に変えて送り、返ってきた下行ニューロンと運動ニューロンが翅・脚・頭を動かす。選択中の個体の脳は 16,000 ニューロンの点群として実時間で表示される。計測ではなく設計した部分は決定記録の文書に列挙されている。
fasterfly
franciscocarloserra
MaleCNS のコネクトーム全体(16.5 万ニューロン・2,450 万シナプス)を進める、イベント駆動の Triton カーネル。RTX 3090 一枚で 3,455 Hz。膜の時間刻みが 1ms なので、ハエの 1 秒を実時間 0.29 秒で回す計算になり、実時間の約 3.5 倍速にあたる。torch.sparse の COO は毎秒 708 ステップなので 4.9 倍。16 匹・64 匹とバッチにすると 1 匹あたりの遅延と引き換えにスループットが伸び、毎秒 51,159 fly-step に達する。同じ入力なら torch.sparse の参照実装と同じスパイクが出ることを README が明記している。
Fly Brain Atlas
ashemag
公開された MaleCNS のジオメトリから作った、成体雄のハエ脳の対話型 3D アトラス。80 の脳領域を元データの 7,270,902 三角形のまま持ち、分解表示や左右対応領域の強調ができる。追跡済みニューロン 1,712 本(2,180,126 セグメント)に加え、完全なニューロンメッシュ 8 本を必要に応じて読み込む。ジオメトリはローカル配信で、実行時に API トークンは要らない。全アセットに取得元 URL と SHA-256 が帰属マニフェストとして付き、細胞表示は母集団全体ではなく形態を示すための選抜だと明記されている。
fly-connectome-template
Mert Cobanov (@cobanov)
毎回足場から組み直さずにハエコネクトームの実験を始めるための、ブラウザ上の作業台。MaleCNS v1.0 の分類済み脳 soma 座標 124,289 点を軸を歪めずに描いた状態から始まり、解剖学的な flybody メッシュも同梱する。環境とモデルは差し替え可能な部品として切り出されていて、学習と推論は自分の環境で回し、出力はニューロン ID で突き合わせる。ライセンスは Web UI とリポジトリの双方に帰属表示を求める。
Fruit Fly Plays Fruit Ninja
hcsolakoglu
MaleCNS から切り出した回路(実ニューロン 4,386 個、計測された 468,923 本のエッジ、表現されるシナプス 4,210,625 個)が、画素 → 神経活動 → 刃という明示的なループで Fruit Ninja 風のゲームを操作する。見どころは対照群の充実で、計測どおりの配線、読み出しを学習し直した再配線、結合の切断、入力の遮蔽、ランダムな刃、素朴な画素ヒューリスティックを切り替えて比べられ、シードで再現もできる。README は「これは結合を固定したレートモデルに設計した視覚・運動インターフェースを付けたものであって、全脳エミュレーションではない」と明言している。
Fly Self Driving
suanmiao
計測された MaleCNS の配線(165,122 ニューロン・25,563,197 シナプス)をそのまま再帰ネットワークとして回し、64×32 ピクセルのフロントガラス画像から車を操舵させる。隣接関係は一切変えず、学習するのはシナプスごとのゲインとニューロンごとの漏れだけ。駐車車両・対向車・追い越すべき低速車のある未学習コースで、独立した 3 セット計 60 本中 58 本を完走し、車との衝突はゼロ。サイトの映像は再シミュレーションではなく記録した状態の再生で、実際の入力画像と神経活動が並び、失敗例も公開されている。
FlyBrain-HalfLife
Yusuftmle
Valve の Half-Life(GoldSrc)を自律プレイするエージェント。深層ネットワークも方策も強化学習も挟まず、MaleCNS v1.0 と FlyWire から起こした生物物理的な leaky integrate-and-fire 回路を疎テンソルで回して、旋回・ジャンプ・回避を生成する。画面は 60×60 の複眼網膜に投影され、被ダメージは巨大線維の逃避反応を引く。見出しに出る 166,700 という数字は元データセットの規模で、デモが実際に回しているのは 12,260 ニューロンの部分グラフ。ゲーム画面の横にカルシウム風の活動と下行ニューロンのメーターが並ぶ。
Fruitless
nicodunks
MaleCNS の配線グラフ(分類済み 166,606 ニューロン・約 2,560 万結合)を使い、抑制性の mAL 経路の出力を遮断すると雄に関係する感覚入力が求愛回路の P1 ニューロン群に届くのかを、対にして調べた実験。両群に同じ入力と同じ発火規則を与え、変えるのは mAL の遮断だけ。入力経路 3 種・乱数 3 種・抑制強度 2 種の全 36 通りを走らせている。細胞の同定も結合の効果もモデル上の仮定であって計測された性質ではない、と README が明記している。記録した活動は Three.js のアニメーションで再生できる。
NeuroHex
shakeabhishek
実機の六脚ロボット。逃避行動を、手書きの状態機械でも抽象的なニューラルネットでもなく、ハエの配線そのものから出している。MaleCNS の再構成から Virtual Fly Brain 経由で取り出すのは巨大線維の逃避回路の直接(1 ホップ)近傍だけで、LC4・LPLC2 の looming 検出器や JO の機械受容器を含む約 391 ニューロン。これを Raspberry Pi 5 上の Brian2 で回す。カメラと OpenCV のオプティカルフローがスパイク符号器に入り、復号側が PCA9685 経由で 18 個のサーボを駆動する。シミュレータではなく実ハードウェア上でコネクトームを走らせている点が珍しい。
ASCII.jp: マイクラのハエに本物の脳を再現
ASCII.jp (G.Raymond)
NeuroCraft Fly に絞った日本語記事。マインクラフト内のハエが反応する 6 種類の入力(プレイヤーの接近・周囲の mob・ブラッシング・攻撃・食べ物・光)を挙げ、選ばれた読み出し信号があらかじめ決められた動作を選ぶのであって自然な生理を再現しているわけではないと説明し、公開状況も明確に記している。リポジトリにあるのは紹介資料とデモ映像で、Fabric MOD のソースは未公開。
AUTOMATON: ハエの脳の配線図が DOOM に使われる
AUTOMATON (Kosuke Takenaka)
DOOMFLY を扱った日本のゲームメディアの記事。見世物としてではなく仕組みに焦点を当てており、DOOM の画面情報をハエが受け取れる信号に変換し、MaleCNS v1.0 のモデル内で活動を起こして操作に対応させ、被ダメージ時にはドーパミン細胞へ嫌悪刺激を送る、という流れを説明している。最も有用なのは否定的な結果の記述で、約 3,000 回の試行後も生存時間の延長という形での学習は確認されていないと報じている。
Closed-Loop Fly
ZeroXClem
ブラウザ上で感覚と運動のループを閉じる実装。描画した画像がコネクトームの 1,771 本のカラム方向でサンプリングされた複眼を駆動し、視葉のレートモデルが MaleCNS グラフ全体に入り、下行ニューロンの発火率が翅を動かし、変化した姿勢が次フレームの画像を決める。AbijahKaj の視葉フロントエンドと Xenova の全 CNS WebGPU バックエンドという 2 つの既存プロジェクトを MaleCNS の body ID で接合したものだと明記しており、公開図版を生成したアブレーション用ベンチも同梱する。
Connectome Fighter
Unjuno
MaleCNS v1.0 コネクトームを格闘ゲームプラットフォーム FightingICE に接続し、Shiu らの leaky integrate-and-fire 力学をバージョン固定で実装して橋渡しする。ゲームの観測値はバージョン管理された Poisson 型の感覚インターフェースに、出力側のスパイク数はバージョン管理された行動グループに変換され、実行結果は公開のリサーチ台帳に記録される。解剖学的データ(生物由来)・力学モデル(既発表)・感覚と行動の対応や報酬・可塑性の規則(プロジェクト独自)の線引きを明確に示している点が特徴。
connectome_interpreter
Yijie Yin, University of Cambridge
配線図を回路機能についての検証可能な仮説に変える Python ライブラリ。約 14 万ニューロンの全脳解析でもノート PC や Colab で動く。ニューロン群どうしの多シナプス的な実効結合を符号ありなしで計算し、始点と終点のあいだの実際の部分回路を取り出して描画し、微分可能なコネクトームモデルも提供する。PyPI から導入でき、プレプリントと Colab ノートブックが付属する。
Dexerto: the digital fly gets its own heaven
Dexerto (Zackerie Fairfax)
このブームへの逆流に名前を与えた記事。Macroblock が発表した「Beat Saber ではなく草と木と尽きない果実を与えるオープンワールド」の計画を紹介し、NeuroCraft Fly やリズムゲーム動画と対比させている。あの Beat Saber のデモが後に「完成したものではなかった」と訂正された点にも触れており、再生回数だけが独り歩きしがちな状況では有用な補足になっている。
FLM (Fly Language Model)
nftechie (Alex Wormuth)
凍結した言語モデルを MaleCNS v1.0 のグラフに結合する実験。トークン埋め込みが 16万6,700ノードの固定ネットワークを駆動し、27万8,528パラメータのアダプターがその状態を読んで Liquid AI の LFM2.5-1.2B-Instruct の次トークンスコアを調整する。学習するのはアダプターだけで、パラメータ数を揃えた直接入力の対照も併せて訓練する。README は冒頭で「言語能力は事前学習済みモデル由来であり、生物のハエが言語を理解することを意味しない」と注記している。
Fly Arena
Artem X (@artem-x-meta)
MuJoCo 上の NeuroMechFly 身体と MaleCNS コネクトームデータ、そして明示的な行動コントローラーを組み合わせたシミュレータ。ハイブリッドモードでは歩行、匂いを手がかりにした探餌、関節付き口吻での接触摂食、グルーミング、睡眠圧と覚醒を扱い、2 匹用アリーナでは餌の共有、身体の衝突、押し合い、前脚でのフェンシング、後退が加わる。README はデモ動画がコネクトームを無効にした状態で録画された(つまり設計済みコントローラーの動き)こと、検証済みのデジタルハエではなく実験的モデルであることを明記している。
fly-craftax
Liu Zihe (@liuzihe02)
コネクトームのシミュレーションをオープンエンドなサバイバル環境 Craftax に接続し、下行ニューロンからの線形読み出しを PPO で訓練する。このブームの多くと違うのは周辺の検証環境で、脳だけのスループットベンチマーク、Shiu らの結果に対する MN9 の糖応答チェック、ラミナバイアスとシナプス重みの校正スイープ、アブレーション対照との zero-shot ロールアウト、未使用シードでの再生と開ループベースラインの比較が用意されている。結果というより研究用の試作。
Fly Dino
Mert Cobanov (@cobanov)
Chromium の恐竜ゲームを、計測された MaleCNS の 80 細胞回路経由で操作する実験。8 個の設計済み観測値が固定細胞に入り、16 個の下行細胞活動が 16–12–3 の読み出し層に渡る。学習するのはその 243 パラメータの読み出しだけで、交差エントロピー法により 80 世代・1万5,680エピソードで訓練した。公開チェックポイントは未使用の 180 秒コース 100 本中 99 本を走破し、回路を沈黙させた同じ読み出しは 0/100。作者は「学習された制御と回路活動への依存を示すもので、生物学的トポロジーの優位性を示すものではない」としている。
Help the Fly Escape
David Zhang (@dzhng)
ブラウザで動く 3D パズルゲーム。家具のある家に日用品を配置してハエの群れを放ち、制限時間内に何匹が外へ出られるかを競う。各個体は MaleCNS コネクトームの一部を使った独自の神経活動を持ち、シミュレーションは Rust を WebAssembly にコンパイルしたもの、世界と UI は TypeScript。1 匹を選んで追跡し、左右の色入力や神経活動のトレースを覗ける。「望む戦略を先に決めてニューロンに押しつけるのではなく、観察された挙動からゲームを組み立てる」と設計方針を明記している。
Fly / Wirehead
Matty (@mattyhempstead)
「飛ぶために生まれ、スクロールを強いられる」。仮想のスマホに流れる昆虫ショート動画をシミュレーションのハエに見せ続ける実験。ブラウザが画面を 90×160 画素で取り込み、輝度と色が MaleCNS v1.0 全体の R1–R6 入力 3,335 個と R8 入力 811 個を刺激し、コンパイル済みカーネルが 1 フレームあたり 50 ミリ秒ぶんの神経時間を進める。オーバーレイには PAM11 ドーパミンニューロンの発火率(Hz)とネットワーク全体のスパイク数が表示される。Stonkfly に触発された作品で、身体の動きは計測活動を増幅した読み出しであり物理シミュレーションではない。
FlyBrain Engine
Mehran (@mehrantsi)
公開済みの FlyWire 版 leaky integrate-and-fire モデルを Rust と Metal でネイティブ実装したエンジン。Python は独立検証用の Brian2/NumPy ラインと、オフラインの Parquet→CSR コンパイラとして残されている。さらに Rust の身体層も備え、MuJoCo が書き出し済みの NeuroMechFly の身体を動かし、固定レートのブリッジが感覚入力を流し、ネイティブビューアが 3D 世界を表示する。別途 MaleCNS v1.0(腹側神経索を含む 16万6,700ニューロン・2,446万9,412本の符号付き結合)を接続する実験的統合があり、個体をまたぐ配線の追加は行っていない。ニューロンを動かしたまま運動読み出しだけを切断する対照実験も用意されている。
FLYFEAR
Furkan Çakır (@furkancak1r)
Godot 4.5 で作られた一人称ホラーのプロトタイプ。部屋の中を実体のあるハエが飛び、MaleCNS v1.0(16万6,700ニューロン・2,558万2,938本の有向結合)のシミュレーションがその飛行に影響し、別に用意された報酬更新型の判断層がどの恐怖イベントを起こすかを選ぶ。リポジトリにはビルド済みゲーム・データ・独立した Python シミュレーション・テスト・計測レポートが含まれ、48 体の合成プレイヤーで 576 ラウンドの事前学習を行ったと記録されている。README はトルコ語。
Flyhard
Mark Unthank (@MarkUnthank)
MaleCNS の追跡済み 16万5,122ニューロンと計測結合 2,556万3,197本から作ったモデルを訓練し、シミュレーションしたハエの前脚でステアリングホイールを物理的に操作させて CARLA 上の車を走らせる実験。報告されたパイロットでは、600 回の最適化更新後に未使用の据え置き操舵目標 100/100 を達成(訓練前は 0/100)、最悪保持誤差は事前宣言した 7.45 度に対し 4.85 度。足のグリップを外すと操舵応答の 99% 以上が消える。README は視覚による運転、ホイールとペダルの同時制御、3 シードでの再現が未検証であると明記している。
flyverse
tel∅s (@tel-0s)
MaleCNS v1.0 コネクトームに色覚・嗅覚・味覚・風覚と、歩き・跳び・飛ぶ身体、そして果物の載ったテーブルのある部屋を与えたシミュレータ。コンソールには体視点カメラ、周回視点、左右の網膜モザイク、触角入力、集団活動・運動出力・身体状態の同時表示が並び、中枢複合体による操舵、風に向かう走性、逃避ゲーティングを切り替えられる。コネクトーム自体は一切訓練も編集もせず、それ以外は文書化された生理学的仮定の上に成り立つと明記している。
GIGAZINE: ハエの脳マッピング公開直後の DOOM / マリオ64
GIGAZINE
MaleCNS 公開の 6 日後に出た日本語の記事。Alex Wormuth の DOOM 実験(被ダメージ時に刺激される PPL101 ドーパミン細胞を含む)、Jessica Paquette のマリオ64 コントローラー、Evan Smith のマインクラフト「NeuroCraft Fly」、Bad Apple!! の可視化を順に紹介し、最後にブームの多くが省略する点、すなわちコネクトームが示すのは構造と結合であって生物学的機能の完全な再現ではない、と釘を刺している。
Google Research: A connectomics milestone
Google Research (Michał Januszewski, Viren Jain)
共同研究の Google Research 側による公開当日の記事。オスの中枢神経系の再構成を、ニューロン数で過去最大の脳地図(16 万以上のニューロン、1 億 2,500 万のシナプス結合)と説明している。HHMI Janelia が主導し、Google Research と研究機関が参加、性的二型の研究として Cell に掲載された。データの入手先として Janelia のダウンロードページ、ボリュームの閲覧先として Neuroglancer を案内している。2026 年 9 月のデモのブームはすべてこの発表から始まった。
fly-brain (embodied whole-CNS, browser)
Lulzx
デスクトップのブラウザで動く全中枢神経系の身体付きシミュレーション。MaleCNS v1.0 の 16万5,122ニューロンの脳を MuJoCo の flybody 身体に載せ、複眼の前段には flyvis で学習した視覚モデルを使う。刺激可能な細胞タイプを備えたコネクトームビューア、アルゴリズム構造のページ(リングアトラクター・拡張符号化・モチーフ集計)、砂糖や匂い・脅威を置いて脳を覗けるアリーナ、解剖ビューアの 4 画面構成。コネクトームモデルに欠けている自発活動は専用モジュールが供給し、同定された下行ニューロンへのシナプス入力としてのみ作用する。
MaleCNS Cell Type Explorer
Reiser Lab, HHMI Janelia Research Campus
MaleCNS v1.0 の細胞タイプを閲覧するためのリファレンス。データセット自体から生成され、研究室が公開している。細胞タイプごとに 1 ページが用意され、結合、領域への投射、形態を確認できる。ゲーム系のデモはたいてい DNp01 や DNg100 といった下行ニューロンを名前で指定するが、その細胞が実際に何とつながっているかを確かめる手段が無いことが多く、その確認先として使えるリソース。
mindmeld-with-fly
Pandu Sastrowardoyo (@Decentricity)
Muse の EEG ヘッドセットからのライブ信号で MaleCNS の疎なリザバーを駆動し、libcaca を使ってターミナル上に描画する。ハエの可視化の隣に人間の頭皮電位と周波数帯のペインが並ぶ。ヘッドセットが無くても合成 EEG ソースで動かせる。README は自ら限界を明示しており、リザバーの動特性は生物物理ではなく、「ハエの EEG 帯域」はデジタルなリザバーのスペクトル成分であって昆虫の電気生理ではないとしている。
Neural Canvas (Fruit Fly Simulation)
Xenova (Hugging Face)
ブラウザだけで動く Hugging Face Space。ニューロンを塗って刺激を与え、Three.js の関節付きハエが反応する様子を見られる。MaleCNS の 16万6,700エントリと 2,558万2,938本の有向結合を保持し、Shiu らの leaky integrate-and-fire モデルを WebGPU カーネルで実行する(JavaScript のフォールバックあり)。歩行・旋回・飛行のアニメーションは作り込まれた説明用のもので、ゲインや閾値はデモ用に選ばれており、身体の動きは神経側へフィードバックしないと明記されている。
OpenFly
marketcalls
暗号資産ではなくインドのオプション市場を相手にした取引系の事例。MaleCNS v1.0 全体のシミュレーションを OpenAlgo 経由で 1 つの戦略、すなわち当限 NIFTY の日中ショートストラドル(各レッグにボラティリティ連動のストップ、15:15 までに手仕舞い)につないでいる。価格とオプションチェーンは利用者自身の OpenAlgo 接続からローカルの DuckDB に取り込み、モックデータは一切使わない。既定はペーパートレードで、実売買は明示的なオプトインが必要。README は「優位性は実証されていない」と明記している。
Swat.
hrook1
ハエを叩こうとすると、クリックする前に逃避回路が光るブラウザのアーケードゲーム。MaleCNS v1.0 から抽出した 6,000ニューロン・127万5,994本の有向結合(元の 1,065万9,685シナプス接触を保持)の簡略スパイキングモデルを走らせ、シミュレーション視覚を LC16→MDN の退避回路に入力して、その活動が回避旋回とバーストに影響する。通常の巡航・飛行アニメーション・当たり判定は作り込んだゲーム側の処理であることを README が明言している。
Fly Brain Plays Beat Saber
@_lyraaaa_
@_lyraaaa_が X に投稿した短い動画で、MaleCNS v1.0 のシミュレーション脳を Beat Saber に接続した様子を映している。Know Your Meme が 2026 年 9 月のブームで挙げる中では最多の約 2,200 万回再生・8.48 万いいね。ただし Dexerto によれば、作者はのちに「この動画はモデルが自力でプレイしている様子ではない」と説明しており、運動系は記録済みのシーケンスを再現するよう訓練されたもので、視覚への反応や実際のプレイ動作は強化学習で開発中だという。再生回数はその前提で読む必要がある。
Fly Brain Trades Bitcoin with $100
@nftechie_
先に Doom の配信を行った Alex Wormuth(@nftechie_)による動画投稿。シミュレーションしたハエの脳に 100 ドルを持たせ、その神経活動で Coinbase の売買を決定し、利益が出るとドーパミンニューロンを刺激するという内容。Know Your Meme によれば約 340 万回再生。作者は同日にコード(Stonkfly)を公開しており、Coinbase の価格を RGB のチャートに変換して MaleCNS グラフの輝度入力 3,335 個と R8 入力 811 個を刺激し、固定の読み出しが買い・売り・様子見を提案、損益に応じて PAM11 ドーパミン細胞 15 個または PPL101 の 2 細胞を刺激する。既定はペーパートレードで、利益を出す学習は実証されていない。
coconatfly
Gregory Jefferis (natverse)
主要なハエのコネクトームを共通のインターフェースで扱えるようにする R パッケージ。hemibrain・FlyWire・MANC・FANC・BANC・male CNS・male optic lobe に対して、同じ書き方で結合相手の検索や細胞タイプの比較ができる。Jefferis 氏が開発しており、ライフサイクルは実験段階で API が変わる可能性はあるものの、hemibrain と FlyWire の比較では既に実用されている。
connectome_data_prep
Yijie Yin, University of Cambridge
ケンブリッジ大学の Yijie Yin 氏による、公開コネクトームを解析しやすい疎結合行列とメタデータ表に整形するためのノートブック・スクリプト集。flow centrality に基づく軸索・樹状突起の分割処理も含む。対象は成虫の male CNS・BANC・FlyWire/FAFB・hemibrain・MANC に加えて幼虫コネクトームで、Connectome Interpreter で使う経路探索・実効結合解析のベンチマークコードも同梱されている。ライセンスファイルは未設定。
Fly Connectome Data Tutorial (SJCABS)
SJCABS winter school (Sven Dorkenwald & Alexander Bates)
サンフアン冬季スクール(Connectomics and Brain Simulation)向けに Sven Dorkenwald と Alexander Bates が作成した教材。データ読み込みから形態解析、直接・間接結合の解析まで、Python と R の両方で段階的に学べる。BANC・FAFB・male CNS・MANC・hemibrain のメタデータを共通スキーマに揃え、公開クラウドバケットで配布しているため、同じノートブックを 5 つのデータセットで使い回せる点が特徴。
flycoin
ad7584
トークン実験のプロジェクト。2026 年 9 月公開の雄 CNS コネクトームから 165,122 ニューロンを Python でシミュレートし、Solana と Robinhood Chain のトークン発行プラットフォームに接続する。モメンタムや流動性といった市場シグナルを感覚ニューロン群に対応付け、役割が知られている指令ニューロン(吻伸展なら発行、巨大線維の逃避回路なら中止)から判断を読み出す。コミット 1 件のみでライセンス未記載。同じアカウントが flycoinrh のコミットにも関わっている。
情報提供のみ。推奨・紹介リンクはありません。
flycoinrh
fruitflydev
トークン実験のプロジェクト。165,122 ニューロンの雄コネクトーム(公開 CC-BY バケットから取得)をニューロン単位でシミュレートし、ブラウザを操作させる。スクリーンショットを 892 個の網膜配置カラムに通し、ネットワーク全体に活動を伝播させ、運動出力でカーソルを動かして Robinhood Chain(Arbitrum ベースの L2)上のローンチパッドを操作する。後続のコミットでドーパミン依存のケニオン細胞可塑性、自律ブラウジング、ナレーション機能を追加。コードは MIT で、2026-09-10〜11 に 30 コミット、一部は flycoin の作者 ad7584 によるもの。
情報提供のみ。推奨・紹介リンクはありません。
FlyWire Codex
Princeton Neuroscience Institute
Princeton Neuroscience Institute が開発した Web ベースのコネクトーム閲覧ツール。ソフトのインストールも生データのダウンロードも不要で、ブラウザだけで検索・絞り込み・可視化ができる。FlyWire の FAFB v783(139,255 ニューロン)に加え、BANC v888、Janelia の MANC v1.2.1、オス視葉 MAOL v1.1、male CNS v1.0 も閲覧でき、2026 年初頭時点で登録ユーザーは 6 万人を超えた。コードは murthylab/codex として Apache-2.0 で公開されている。
Gizmodo: Fruit Fly Brain Plays Doom and Super Mario 64
Gizmodo
2026年9月3日にGoogleとHHMIジャネリアが公開したオスのショウジョウバエ中枢神経系コネクトーム(MaleCNS v1.0)をめぐり、ネット上の開発者たちが相次いで作ったシミュレーションを紹介するBruce Gilの記事。Doomをプレイさせたり、スーパーマリオ64を遊ばせたり、Minecraft内で動かしたりした例を取り上げ、16万6千超のニューロンを持つ史上最大級の脳地図として位置づけている。
Janelia News: Male Fruit Fly CNS Connectome
HHMI Janelia Research Campus
HHMIジャネリア研究所が2025年10月6日に出した、オスのショウジョウバエの脳と神経索をまるごと再構成した初の配線図(16万6千超のニューロン)についての発表記事。MRC分子生物学研究所、ケンブリッジ大学、Google Researchとの共同研究で、成果はbioRxivにプレプリントとして公開された。Gerry Rubinは社会性の高い動物で雌雄の脳を初めて比較できる意義を強調し、データは世界中の研究者に無償提供されると述べている。
Know Your Meme: Fly Brain Simulations
Know Your Meme (Literally Media)
ジャネリアFlyEM・ケンブリッジ・Google Researchが2026年9月3日に公開したMaleCNS v1.0コネクトームをゲームなどに接続する動画が流行した現象をまとめたKnow Your Memeの項目。9月13日時点では、9月7日のYouTubeのマインクラフト動画(24.1万回再生)、Beat Saber(2,200万回)、Coinbaseでの取引(340万回)、運転シミュレーター(150万回)に加え、タレントマネージャーのシミュレーション、Twitchの配信者ペルソナ、Deadlockのプレイが列挙されている。依然として審査中のサブミッション扱い。
malecns (R)
natverse / Jefferis lab with Janelia FlyEM
Janelia FlyEM のオス全中枢神経系コネクトーム(neuPrint 上の公開スナップショット male-cns:v1.0)を natverse から手軽に扱うための R パッケージ。ニューロンのメッシュ取得、FlyWire や MANC の細胞タイプと対応づけたアノテーション列、データセット間の座標変換などを提供する。Janelia FlyEM とケンブリッジの Drosophila Connectomics Group の共同プロジェクトから生まれ、2021 年末から開発が続いている。
Fly64 (MaleCNS plays Super Mario 64)
ornata (Jessica Paquette, @barrelshifter)
Jessica Paquette による概念実証。逆コンパイル版 SM64 の画面を約 10 万ニューロンの MaleCNS v1.0 モデルの視覚系に流し込み、特定の下行ニューロン(移動は DNg100、旋回は DNa02/DNg13 の差分、ジャンプは DNp01/DNp10 のバースト)からコントローラー入力を読み出す。学習や報酬は一切なく、README にはハエは主に壁にぶつかって動けなくなると書かれている。作者いわく「100% vibe coded」。2026-09-08 に Gizmodo が紹介。
neuPrint
Janelia FlyEM (HHMI)
Janelia FlyEM チームが運営するコネクトーム解析基盤。Neo4j 上のグラフデータベースに、Web 上で探索できる neuPrintExplorer と HTTP API を組み合わせたもので、ニューロン間の結合をクエリで調べられる。hemibrain・MANC・male CNS の公式配布元であり、2022 年に Frontiers in Neuroinformatics で論文化された。
neuprint-python
Janelia FlyEM (HHMI)
neuPrint 公式の Python クライアント。Cypher を直接書かなくても、Janelia のコネクトームデータベースからニューロンのメタデータや結合表、スケルトンを pandas に取り込める。2020 年 1 月に PyPI で初公開され、2026 年 7 月の 0.6.3 まで継続的に更新されている。pip・conda・pixi のいずれでも導入できる。
Fly Lab (Ableton Live)
Apolotary (Bektur Ryskeldiev)
macOS 向け Ableton Live 拡張。DesktopFly のデータから借りた MaleCNS の 1,045 ニューロン運動回路を MIDI に変換し、Three.js 上を動くハエの衝突・接触・運動出力で音を鳴らしたりアンビエントのパラメータを変調したりする。5 つのモードがあり、Dark Lab モードでは 70 個の重みを持つ小さな学習可能な読み出しを使う。作者は計測された回路と作曲した和声を明確に区別し、ハエは「ハエの姿をした粒子」だと説明している。2026-09-10 に Sonic Field で紹介。
Wikipedia: Drosophila connectome
Wikipedia (Wikimedia Foundation)
ショウジョウバエのコネクトミクスを一望できるWikipediaの記事。なぜショウジョウバエがモデル生物に選ばれるのかから始まり、3,016ニューロンの幼虫脳、成体のhemibrain、FlyWire、FANC・MANCの神経索、2025年のBANCやオス中枢神経系の全体再構成まで主要データセットを順に解説し、配線構造と行動の関係にも触れている。本文はCC BY-SA 4.0、最終更新は2026年8月11日。




