ハエの脳とは何で、いま何ができるのか
「ハエの脳」の正体は配線図です。どのニューロンがどのニューロンに何本シナプスを張っているか、それを数え上げた表。配線図そのものは動きません。
測った部分 — 配線図
166,000+MaleCNS v1.0オス成体の中枢神経系まるごと(2026-09)139,255FlyWire (FAFB v783)メス成体の全脳。校正済み3,016幼虫コネクトーム昆虫の脳まるごとの配線図としては最初(2023)
決めた部分 — 配線図に入っていないもの
- 興奮性か抑制性か
- 神経伝達物質の予測から推定している
- シナプスの強さ
- 多くのプロジェクトはシナプスの本数をそのまま重みに使う
- 膜時定数・発火閾値
- プロジェクトごとに選んだ値。多くは Shiu ら 2024 のモデル
機械学習は重みを学習で決める。ここでは顕微鏡で数えた本数で代用する。重みは学習するものなのか、測るものなのか。
できること / できないこと
できるようになった
- 実時間より速く回るハエの 1 秒を GPU 1 枚で 0.29 秒
- 身体と世界につながる実機の六脚ロボットのサーボを動かすところまで
- 配線が計算資源になる配線は固定のまま手書き数字を 94%
- 回路として検証できる逃避反射を NAND 173 個に落として網羅検証
まだできない
- 学習しない作者いわく、ハエは主に壁にぶつかって動けなくなる
- 全脳エミュレーションではないREADME の冒頭で「本物の脳シミュレーションではない」と明言
- 見出しの数 ≠ 回す数16.6 万と書かれていても実際は 12,260 ニューロン
- 書き換えたらどうなるかは未解決「いま答えられない理由」を計測して公開した例がある
得られたのは「心」ではなく、共通の実験台です。
掲載の基準
一次ソースを読んで確認できたものだけを載せています。とくに重く見ているのは、対照実験を走らせているかと、できなかったことを書いているかです。編集方針 / 掲載を依頼する
数字の注意: 同じ MaleCNS でもプロジェクトごとにシナプス数の記載が 2,450 万〜2,560 万と食い違います。数え方が違うためで、どの版の何を数えた値かを確かめる必要があります。