MANC (Male Adult Nerve Cord)
HHMI Janelia FlyEM, Cambridge Connectomics Group, Google Research
成体オスのショウジョウバエの腹部神経索(ヒトの脊髄に相当し、運動制御を担う部位)を丸ごと再構成したコネクトーム。ジャネリアFlyEMがケンブリッジ大学やGoogle Researchと共同で2023年6月にv1.0を公開し、2024年3月にv1.2へ更新。約23,000ニューロンと約1,000万のシナプス前部位を含み、3本の関連論文がeLife誌に掲載された。
確認した出典
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- janelia.org https://www.janelia.org/project-team/flyem/manc-connectome
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fly-connectome-wiring
Guan et al. (HKUST)
成体ハエの脚運動系を MaleCNS v1.0 と MANC v1.0 の 2 つのコネクトームから固定重みのレートモデルとして組み、実行前に決めた基準で 6 系統の再配線ネットワークと比較する。付随する原稿の、運動入力の付け替え・救済・上限付き付け替え・符号摍乱の実験も回す。原稿のビルドは掲載する数値をすべてデータから再計算し、1 つでも合わなければ失敗する。ノイズ列は種を固定してあり、確認実行は保存済みの記録を 1e-16 以内で再現する。コネクトーム自体は再配布せず、公開フラットファイルは利用者が用意する。
flyconn
@moiz-lakkadkutta
MaleCNS v1.0・FlyWire v630/v783・hemibrain・MANC・BANC を、チェックサム付きのオフラインデータ層ひとつの背後にまとめ、その上に符号付き疎グラフを構築する Python ツールキット。重みの閾値を変えたときの経路安定性という形で不確実性を伝播させ、公開結果と照合済みのクロスプラットフォーム LIF シミュレータを持ち、YAML の仕様から実験を回して出典と引用付きのレポートを出す。対照実験は既定で走る。README は本プロジェクトを pre-alpha と呼び、神経伝達物質の同定は予測であり、シミュレーション出力はすべてモデルの予測だと明言している。
Insectome (Bug Connectome Project)
theworker02
複数の昆虫コネクトームパック(neuPrint の hemibrain・MANC・視葉、Insect Brain Database のプロジェクトーム)をまとめて扱うローカルのスタジオ。ID の羅列ではなく、シルエットと細胞クラスから辿る。電顕を再セグメントせず公開済みのレベル 0 / レベル 1 グラフを再利用し、生の EM はリモートに置いたまま、ローカルキャッシュは 10 GB を上限にする。共有用の Pages ビルドは、ローカルの 1.7 GB に対しておよそ 23 MB のカタログだけを載せる。掲げる規則には、パックを混ぜて存在しない統合コネクトームを作らないこと、証拠のないシナプス結合を主張しないことが含まれる。
fly-cord-robots
SakshayMahna
手で設計した歩容コントローラの代わりに、ハエの腹神経索(脊髄に相当する部分)でシミュレーション上の脚ロボットを動かすプロジェクト。まず 6 脚で、次にハエが進化的に経験したことのない「脚を切断した 4 脚」で試す。面白いのは記録の方で、既発表の回路研究を再現し、6 本の脚の回路をすべて同定・確認し、物理シミュレータ上にハエの体を作り、運動ニューロンの出力で実際に関節を動かす(開ループ)ところまで進んでいる。そのうえで事前登録した予備実験で自己受容感覚のフィードバックを閉じたところ、効果は無視できるか、ネットワークが暴走して律動を失うかのどちらかだった。
cocoa
flyconnectome
FlyWire、hemibrain、MANC、MaleCNSなどのコネクトームをまたいでニューロンを比較し、共同クラスタリングを行うPythonライブラリ。異なる再構成の細胞型対応を調べるための基盤。READMEのFANC・BANC対応はTODOであり、利用可能な機能には含めていない。
Drosophila MANC Connectome Synthesizer
Benn Jordan (@bennjordan)
MANC(オス腹神経索)コネクトームから、オスの求愛歌をブラウザで合成する楽器。サンプル再生ではなく、P1 が距離と接触を統合し、pIP10 と pPR1 がパルス歌とサイン歌を切り替え、T2 神経分節の vPR6 と GABA 性ループが約 35ms のパルス間隔を決め、MN-b1・MN-b2 を駆動する。Web Audio 側は翅が空気を押す物理を模し、距離 2mm から 25mm でドライブが 0.8 倍から 3.2 倍に増え、接触時は ±105Hz のゆらぎが乗り、胸部の共鳴の Q が変動する。slowpoke 変異体や近縁種のモデルも入っている。
VFB Self-Led Learning (NeuroFly 2026)
Virtual Fly Brain team
Virtual Fly Brain が NeuroFly 2026 向けに作ったハンズオン教材を、誰でも自分のペースで進められる 7 セッションの無料教材として公開し直したもの。告知は VFB のニュース欄で 2026 年 9 月 6 日付。ニューロンを探すところから、データセット間をつなぐ話、単一細胞トランスクリプトームの取り込みまで進む。各セッションは 5 通りのやり方で試せる。Python の vfb_connect、reticulate 経由の natverse(R)、自然文で聞くチャット、LLM から叩く MCP エンドポイント、そしてインストール不要の 3D ブラウザ。扱うデータは BANC・male CNS・MANC・視葉。フッターに GPL v2 と明記されている。
connectome_interpreter
Yijie Yin, University of Cambridge
配線図を回路機能についての検証可能な仮説に変える Python ライブラリ。約 14 万ニューロンの全脳解析でもノート PC や Colab で動く。ニューロン群どうしの多シナプス的な実効結合を符号ありなしで計算し、始点と終点のあいだの実際の部分回路を取り出して描画し、微分可能なコネクトームモデルも提供する。PyPI から導入でき、プレプリントと Colab ノートブックが付属する。
webgpu-fly
Ahmet Barış Günaydın (@abgnydn)
FlyWire コネクトーム上の実在する下行ニューロンを発火させると、スパイクのカスケードが配線を伝わって MANC の腹側神経索データに入り、出てくるのは歩行の強さと旋回バイアスの 2 値。それが手書きのトライポッド歩容を変調する。インストール不要で WebGPU により完全にブラウザ内で動作し、別途 science ビューも用意されている。運動系の対応付けは明示的な近似だと README に記載があり、プロジェクト自体は 2026 年 9 月のブームの数か月前から存在する。
coconatfly
Gregory Jefferis (natverse)
主要なハエのコネクトームを共通のインターフェースで扱えるようにする R パッケージ。hemibrain・FlyWire・MANC・FANC・BANC・male CNS・male optic lobe に対して、同じ書き方で結合相手の検索や細胞タイプの比較ができる。Jefferis 氏が開発しており、ライフサイクルは実験段階で API が変わる可能性はあるものの、hemibrain と FlyWire の比較では既に実用されている。
connectome_data_prep
Yijie Yin, University of Cambridge
ケンブリッジ大学の Yijie Yin 氏による、公開コネクトームを解析しやすい疎結合行列とメタデータ表に整形するためのノートブック・スクリプト集。flow centrality に基づく軸索・樹状突起の分割処理も含む。対象は成虫の male CNS・BANC・FlyWire/FAFB・hemibrain・MANC に加えて幼虫コネクトームで、Connectome Interpreter で使う経路探索・実効結合解析のベンチマークコードも同梱されている。ライセンスファイルは未設定。
Fly Connectome Data Tutorial (SJCABS)
SJCABS winter school (Sven Dorkenwald & Alexander Bates)
サンフアン冬季スクール(Connectomics and Brain Simulation)向けに Sven Dorkenwald と Alexander Bates が作成した教材。データ読み込みから形態解析、直接・間接結合の解析まで、Python と R の両方で段階的に学べる。BANC・FAFB・male CNS・MANC・hemibrain のメタデータを共通スキーマに揃え、公開クラウドバケットで配布しているため、同じノートブックを 5 つのデータセットで使い回せる点が特徴。
FlyWire Codex
Princeton Neuroscience Institute
Princeton Neuroscience Institute が開発した Web ベースのコネクトーム閲覧ツール。ソフトのインストールも生データのダウンロードも不要で、ブラウザだけで検索・絞り込み・可視化ができる。FlyWire の FAFB v783(139,255 ニューロン)に加え、BANC v888、Janelia の MANC v1.2.1、オス視葉 MAOL v1.1、male CNS v1.0 も閲覧でき、2026 年初頭時点で登録ユーザーは 6 万人を超えた。コードは murthylab/codex として Apache-2.0 で公開されている。
malecns (R)
natverse / Jefferis lab with Janelia FlyEM
Janelia FlyEM のオス全中枢神経系コネクトーム(neuPrint 上の公開スナップショット male-cns:v1.0)を natverse から手軽に扱うための R パッケージ。ニューロンのメッシュ取得、FlyWire や MANC の細胞タイプと対応づけたアノテーション列、データセット間の座標変換などを提供する。Janelia FlyEM とケンブリッジの Drosophila Connectomics Group の共同プロジェクトから生まれ、2021 年末から開発が続いている。
neuPrint
Janelia FlyEM (HHMI)
Janelia FlyEM チームが運営するコネクトーム解析基盤。Neo4j 上のグラフデータベースに、Web 上で探索できる neuPrintExplorer と HTTP API を組み合わせたもので、ニューロン間の結合をクエリで調べられる。hemibrain・MANC・male CNS の公式配布元であり、2022 年に Frontiers in Neuroinformatics で論文化された。
neuprint-python
Janelia FlyEM (HHMI)
neuPrint 公式の Python クライアント。Cypher を直接書かなくても、Janelia のコネクトームデータベースからニューロンのメタデータや結合表、スケルトンを pandas に取り込める。2020 年 1 月に PyPI で初公開され、2026 年 7 月の 0.6.3 まで継続的に更新されている。pip・conda・pixi のいずれでも導入できる。
Wikipedia: Drosophila connectome
Wikipedia (Wikimedia Foundation)
ショウジョウバエのコネクトミクスを一望できるWikipediaの記事。なぜショウジョウバエがモデル生物に選ばれるのかから始まり、3,016ニューロンの幼虫脳、成体のhemibrain、FlyWire、FANC・MANCの神経索、2025年のBANCやオス中枢神経系の全体再構成まで主要データセットを順に解説し、配線構造と行動の関係にも触れている。本文はCC BY-SA 4.0、最終更新は2026年8月11日。


